Last chapter of Lost One
私には成すべき事がある・・・ 私の生きるための使命・・・ どんな事?一体何をするの? どんなに傷つき倒れても・・・ それでも成すべき事って一体何なの? 幾度の死線をくぐり、幾つもの命が失われた・・・ 私が守るべき人達は一体何処へ行ってしまったの・・・ わからない・・・私にはわからない・・・ 誰か教えて・・・・・・ねぇ・・・誰か教えてよ・・・・・ 私は一生懸命、命をかけて彼女達を守ろうとした・・・ でも・・・私は守る事が出来なかった・・・・・・ なぜ? 私の力が足りなかったから? 運がなかったから? どうしてなの・・・・・・ 私にはもう・・・わからない・・・・・・ 私のプライド・・・誇るべきものは任務達成率99%オーバーの数字・・・ それはもう・・・過去のものになってしまったの? 私・・・すごく・・・くやしい・・・・・・ 今まで私自身の誇りでもあり、生きがいでもあった 調査官と言う職業を一旦は放棄した・・・ でも・・・その時は意外と楽な気持ちになれた・・・ あぁ・・・もうこんな辛い思いをもうしなくてもいいんだと思うと 何だか・・・ホッとした・・・・・・ でも・・・本当にこれでよかったのだろうか・・・ 私自身・・・逃げているのだろうか・・・・・・ 人は生まれた時、何かを成すために生まれてくると言う・・・ 私自身も何かを成すために生まれてきたのだろうか・・・ 何をするために?何の為に? その答えは・・・きっとここにある・・・・・・ 私自身の進むべき道は必ず・・・・・・ 私の名前は・・・・・・ 内閣調査室所属 法条まりな一級捜査官・・・
〜Last chapter of Lost One〜
あらすじ
【まりな】ふぅ・・・。まりなは事件捜査を依頼され、今日も元気に走り回っていた。 本部ビルにて杏子宅の住所を教えてもらい杏子の家に向かっていた。 はたしてまりなはこの事件を解決する事が出来るのでしょうか? なにやら不安な予感が・・・。まもなく夜を迎える・・・・・・。
−セントラル・シティー郊外−
【まりな】まったく遠いわね・・・。私から逃げる様に 遠い場所を選んだとしかいい様がないわね。まったく! 【まりな】グウ〜〜〜〜〜〜〜。 【まりな】・・・・・。 【まりな】お〇らをしたわけじゃないわよ。お腹の虫がなっただけよ・・・ ってちょっと!!アイツじゃないんだから!! 【まりな】グウ〜〜〜〜〜〜〜。 【まりな】・・・・・・。 【まりな】あぁ・・・でもお腹へったな〜〜・・・。今日は働きっぱなしだったから ・・・。 【まりな】ん? 【まりな】あれは確かワールドインポートタワー・・・。
それは中心部郊外からも見える一つの大きな一本の線の様に
【まりな】ワールドインポートタワーか・・・。そびえ立つワールドインポートタワーであった。午後8時を迎え様として いるが、依然として沢山の光を伴っていた。遠くに映るものだが その存在感を表すには十分過ぎるほどに光り輝いていた。 なんだか懐かしいわね・・・。 【まりな】確かLOSTONE事件に関わっていた企業として 叩かれていたけど、なんとか持ち直したって聞いたわ。 【まりな】・・・・・・。 【まりな】LOSTONEか・・・。 【まりな】確かこの事件に関わっていたのも杏子だったわね。 それと・・・・・・。 【まりな】・・・見城陽一・・・・・・。 【まりな】・・・・・・。 【まりな】見城君か・・・・・・。懐かしいわね・・・。 |
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数年前・・・・・・内閣調査室
【まりな】ちょっと、何よ本部長!私忙しいんだけど!!【本部長】まりな君〜、君の仕事じゃない・・・。頼むよぉ・・・。 【まりな】じゃあとっとと用件を言ってよ。 【本部長】んん、君に紹介したい人物がいるんだ。 【まりな】ええ?カッコいいオジ様でも紹介してくれるの♪ 【本部長】君ねぇ・・・仕事だと言ったでしょ? 【まりな】なあんだ、つまんないの。 【本部長】スネないの。見城君、入りたまえ。 【男の声】失礼します。
ガチャ・・・・・・パタン
【本部長】まりな君、紹介しよう。今度から我が内閣調査室にこの男の名前は見城陽一・・・ 身長は190cmを超えるくらいの大柄な体格をしていた・・・ 調査員よりもスポーツ選手にでもなったほうがいい様に思えるほどだ・・・ 後に彼はとんでもない事件に巻き込まれる事になる・・・ 勤務することとなっている見城君だ。 【見城】はじめまして、見城です。 あなたが法条まりなさんですね、 お噂は何時も拝見しております。 【まりな】は・・・はぁ・・・・・・。 【本部長】悪い噂ばかりだったろう?
グニュ!!!!!!!
【本部長】イタッッ!!??【まりな】ふんっ。 【見城】あ・・・・・・。 【本部長】ま・・・まりな君、い・・・今本気で足を踏んだろう?アタタ・・・。 【まりな】あら、ごめんなさい。ゴキブリと間違えちゃった。 【本部長】ヒ・・・酷いよまりな君・・・・・・。ゴキブリだなんて・・・。 【見城】・・・・・・。 【まりな】はじめまして、法条と言います。 【見城】あ、よろしくお願いします。 【まりな】んで、本部長。どう言う事? 【本部長】どう言う事って、君に紹介して仕事っていったら 新人研修に決ってるじゃないか・・・。 【まりな】あ、そうだったわね。 【本部長】ガクッ。しっかりしてくれよ・・・。 【まりな】じゃあ見城君。これからよろしくね。 【見城】いえ、こちらこそよろしくお願いします。 法条先生に指導してもらえるなんて夢の様です。 【まりな】法条先生なんて呼ばなくていいわよ。 まりなでいいわ。 【見城】あ・・・は・・・はい・・・。 ・・・まりな先輩よろしくお願いします! 【まりな】OK。 【本部長】ぷっ。法条先生だって。
ブチッッッッ!!!
【本部長】ギャァァァァァァーーーー。【まりな】何か言った? 【本部長】酷いよ・・・まりな君。ヒ・・・ヒゲを抜くなんて・・・・・・ イタタタタタタ・・・・・・ち・・・血が出たじゃないか・・・。 【まりな】ごめんね〜〜。手が勝手に動いちゃったの♪ 【本部長】そ・・・そんな・・・・・・。 【見城】ぷっ・・・。 【まりな】ん? 【見城】あ、失礼。いや・・・しかしお噂通りですね。 【まりな】?? 【見城】お二人は上司と部下の間柄ですが互いによく理解しあい、尊重しあって 幾つもの難事件を解決してきたと聞いていました。なるほどな・・・と思いました。 【まりな】? 【本部長】上司なんだけどイジメられてるのよ・・・。 【まりな】ジロッ! 【本部長】トホホ・・・・・・。 |
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【まりな】・・・・・・。 【まりな】懐かしいわね・・・あの頃が・・・。 【まりな】見城君か・・・。本部長が一番彼の事を悲しんでいたからね。 何時も口癖の様に言ってたもの・・・。 【まりな】彼は必ずこの内調の誇るエージェントになるだろう・・・と。 【まりな】私自身も彼の事、結構好きな所もあったわ。純情で繊細な所があったり、 あまり人を傷つけたがらない優しい所もあったわ・・・。確か、血を見るのがイヤ がっていたわね。ぷぷっ、あれだけ大柄な人物なのに。 【まりな】それなのにね・・・。あんな事になるなんて・・・・・・ 【まりな】・・・・・・。 【まりな】おっと、そうこう言ってる間に杏子の家の近くまで来たわね。 【まりな】う〜ん・・・っと。ここの角を曲がって・・・・・・あった! 【まりな】え〜と・・・マンションの名前は・・・・・・サンシャインハーム。 【まりな】ふ〜ん・・・結構いいところに住んでるわね。 【まりな】ここの三階ね。行くわよ。
コツコツコツコツ・・・・・・・・・
【まりな】え〜と、303・・・303・・・・・・あった!【まりな】え〜っと、表札は・・・江国!!ビンゴ!! 【まりな】鳴らすわよ。
ピンポ〜〜ン♪
【まりな】・・・・・・。【まりな】・・・・・・出ないわね。明かりは付いてるんだけど・・・。 【まりな】・・・・・・。
ピンポ〜〜ン♪
【女の声】はいはいはいはい〜。【まりな】・・・・・・。 【杏子】お帰り〜〜雄・・・・・・ゲッ!!!!!!!! 【まりな】はろはろ〜杏子ちゃ〜ん。 【杏子】ま・・・まままま・・・・・・ま・・・まりな先輩??!! 【まりな】そうよ♪、まさかこの私の美しい姿を忘れたのかしら? 【杏子】い・・・いえ・・・そ・・・そそそそんな事は・・・。は・・・はははは・ ・・。
そのドア越しに見えたのは紛れも無く、元内閣調査員の桐野杏子その人だった。
【まりな】その節は世界をお救いになった英雄様、こ・ん・ば・ん・わ。彼女のトレードマークでもあった長く綺麗な髪の毛をバッサリ切り落とし、 数年前とは少しイメージが違っており大人びた感じをうけた。 【杏子】は・・・はははは・・・ど・・・どうも・・・。そ・・・それより一体、 な・・・ななな何の・・・用・・・事でしょうか・・・。 【まりな】あら、教え子の家に用事がないと来ちゃ行けないのかしら。 【杏子】い、いえ!そんな事はありません! 【まりな】それとも・・・来てはマズい事でもあるのかしら。 【杏子】ビクッ! 【まりな】あ、そうだ・・・杏子・・・・・・。あんた確か結婚したって聞いたのだ けど・・・。 【杏子】は・・・はい、お・・・おかげ様で・・・・・・。 【まりな】ふ〜ん・・・、私・・・知らなかったな〜〜・・・。 【杏子】ゴ・・・ゴメンナサイーーーーー。まりな先輩!!絶対に怒られると思って ・・・。 【まりな】あら、私は怒ってないわよ?ぜ〜んぜん。 【杏子】ほ・・・ほんとですか? 【まりな】ん〜な〜わ〜け〜ないでしょーー!!! 【杏子】ひぃ!! 【まりな】クドクドクドクドクドクド・・・・・・・・・。 【杏子】ゴ・・・ゴメンナサイィィィ、だだだ・・・だってまりな先輩、 か・・・海外へいっていたじゃないですか。 【まりな】クドクドクドクド・・・・・・え? 【杏子】一応・・・連絡はしたんですけど・・・たぶん・・・。 【まりな】・・・・・・そうよね。確か教官としての最後の旅行で 一週間ほど海外へ行っていたような・・・。 【杏子】そ・・・そうですよ!私がまりな先輩の事を忘れるわけないでしょう! 【まりな】そ・・・そうよね〜、このまりな様を除け者する奴が いるわけないじゃ ない! 【杏子】そうですよ!その通りですよ!(やった、あと一押しだ) 【まりな】・・・でも杏子。なんで私がいない内に結婚式をあげたのよ。 【杏子】(ドキッ!!)そ・・・それはですね、式場の予定や親戚関係の 予定がその時しか当てはまらなくて・・・。 【まりな】ふ〜ん・・・。それじゃあ仕方ないわねぇ・・・。まぁ、いいでしょ。 【杏子】(ホッ!!)それはそうと、急にどうしたんですか? 本当に遊びに来たのですか? 【まりな】そうそう、雄二君いる? 【杏子】雄二に用ですか? 【まりな】そう。まぁついでにあんたの顔も拝もうと思ってね。 【杏子】雄二はまだ帰ってきてません。 【まりな】あら?そうなの。何処に行ってるの? 【杏子】今、雄二は・・・
ガチャ・・・・・・
【男の声】ただいま。【杏子】あ、雄二お帰り〜〜。 【雄二】あぁ、・・・あれ? 【まりな】はろはろ〜。 【雄二】あ・・・どうも。 【まりな】江国雄二君よね。 【雄二】・・・はい。
外から顔を出したのは紛れも無くあの江国雄二であった。
【雄二】確か・・・杏子の先輩の法条・・・さんでしたよね?風貌自体はあまり変化はなかったが、 社会人としての風格が出ていた様に思えた。 【まりな】そうよ、まりなでいいわ。 【杏子】まりな先輩、雄二に用があるそうよ。 【雄二】え?オレにですか? 【まりな】そうよ。ちょっと手伝ってほしいの。 【杏子】まりな先輩。とりあえずここでは何ですから、上がってください。 【まりな】ええ、じゃあお邪魔させてもらうわ。 |
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【まりな】ふ〜ん・・・結構いい所じゃない。 【杏子】ここ、雄二の会社の社宅なんです。 【まりな】あ、そうなの。雄二君って今何処に勤めているの? 【雄二】あ・・・、オレ今友人の紹介でアルタイル・コーポレーションに勤めていま す。 【まりな】え?もしかして、あのアルタイルグループの? 【雄二】そうです。 【まりな】ふ〜ん、そうなんだ・・・。でも、あそこって経営的に大丈夫だったの? ほら、あなた達が関わったあの事件でパッシングをくらってたみたいだったけど。 【雄二】はい・・・、一人の社員の不祥事として取り扱われたみたいだったので それほど経営を圧迫するような自体には発展しませんでした。 【まりな】そうだったの・・・。 【雄二】まぁ・・・信用問題としては急落をしましたが、過去の実績からいって 今があるというわけなんです。今が一番の踏ん張りどころと言った所です。 【まりな】そう・・・頑張ってね。 【雄二】有難うございます。・・・おい、杏子! 【杏子】ん、何? 【雄二】お前の先輩が来てくれてるんだろ?お茶くらい出せよ。 【杏子】え?・・・あ、ああ!忘れてた!! 【雄二】ったく、相変わらずどんくさいんだから・・・。 【杏子】な、なんですって〜〜!! 【雄二】家でもちゃんとしてないと、おふくろの前でも癖がでるぞ。 【杏子】うぅ・・・。 杏子はテーブルの席を離れ、足早に台所へと向かった。 【雄二】ったく・・・相変わらずドンなんだから・・・本当におふくろに鍛えられて いるのかなぁ・・・。 【まりな】えっ、どう言う事? 【雄二】あ、オレのおふくろ・・・ワールドインポートタワーで蕎麦屋やってるんで す。 【まりな】あら、そうだったの。 【雄二】そこで、今杏子はおふくろに家庭の修行だからって あそこで働かされているんです。 【まりな】え〜、杏子がぁ? 【雄二】はい・・・、店員として。 【まりな】ふ〜ん、でも・・・雄二君そこの蕎麦屋を継がなくてよかったの? 【雄二】いや・・・うちのおふくろがここは私の店だから、アンタはアンタで違う道 を進めって言ってて。 【まりな】ふ〜ん・・・そうなんだ・・・。
カチャカチャカチャカチャ・・・
【杏子】お待たせしました〜〜っと。【まりな】ありがとうね〜杏子ちゃ〜ん。
杏子はコーヒーを三人分用意し、テーブルに着いた。
【まりな】しかし今更ながら言うけど、あなた達よくあの 砂漠から
抜け出して来れたわね。はっきり言って奇跡に近いわよ?【杏子】はい、私・・・はっきり言ってあの時もうダメかと思った・・・ それに私1人だったら絶対に砂漠を抜け出す事が出来なかったと思います。 【杏子】あれは・・・・・・ |
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今・・・、私は砂漠の中にいる・・・。
【雄二】・・・・・・子!!熱い熱い・・・灼熱の大地・・・ 一寸先も全てが砂に覆われ、天からは 今までに感じた事もない熱い熱い太陽の 日差しが私を照りつける・・・ ![]() 生きとし生けるものを全てを死の世界へと導く・・・ まさに死の世界・・・ なんで私はこの様な所にいるのだろう・・・ 私の名前は桐野杏子・・・ つい先日まで私は日本にいて、内閣調査室と言う所に 勤務していたはずなのに・・・ 私の記憶が正しければ、確か殺人犯を追って 望月生物学研究所を調査していたはずの新米捜査官・・・ そうだ・・・、私は日本で殺人犯の汚名を着せられ、 ここエルディアという辺境の地へとやって来た・・・。 私は見城先輩に裏切られ、そして・・・ 見城先輩に命を助けられた・・・ どうしてこんな事になったんだろう・・・どうして・・・ 私自身にも全くわからない・・・ そして・・・世界は滅亡へと向かっている・・・ 1人の人間の手によって・・・ 私はこの砂漠を抜け出す意味があるのだろうか・・・ 私を待っている人達はいるのだろうか・・・ もう・・・何も考えたくない・・・・・・ 考える力が・・・もう・・・ない・・・・・・ 生きる全てのものを死へと導く灼熱の大地・・・ 私は・・・ここまでで・・・もう・・・・・・ 【杏子】・・・・・・。 【雄二】・・・ぅ子! 【杏子】・・・・・・。 【雄二】杏子!! 【杏子】・・・・・・え? 【雄二】おい、しっかりしろよ!!杏子。 【杏子】雄・・・二・・・・・・君? 【雄二】こんな所でへばるなよ!オレ達は先へ進まなきゃいけないんだぞ!! 【杏子】・・・・・・え? 【雄二】何だよ、その気のない返事は。しっかりしろよ、杏子。 【杏子】雄二君・・・。 【雄二】オレ達はこの砂漠を生きて抜け出し、このワクチンを 世界の人達に届けるといった大事な使命があるんだぞ!! 【杏子】・・・雄二君。 【雄二】お前だって真弥子さんと約束したじゃないか、 生きて必ず戻ってくるって!! 【杏子】・・・・・・。 【雄二】しっかりしろよ!杏子!!
その時、私の側にいてくれたのは江国雄二君・・・
【杏子】・・・ねぇ、雄二君・・・。彼は私に肩を貸してくれて、私は彼に寄り添う様に先を進んでいた・・・。 このLOSTONE事件に至るまで、私を何時も支えてくれていた・・・ 最初、この子に出会った時は何て憎たらしいクソガキって 思っていたけど、このエルディアまで一緒について来てくれたのは雄二君・・・。 私1人だったらここまで来る事は出来なかったかもしれない・・・。 彼自身を巻き込んでしまったのも私の所為・・・。 数日前までは1人の高校生として学校に通っていた普通の学生だったのに・・・ ゴメンね・・・雄二君・・・・・・。こんな事に巻き込んでしまって・・・。 本当に・・・ゴメンね・・・・・・。 【雄二】なに? 【杏子】私を・・・置いてって・・・。 【雄二】何を言ってるんだよ!!お前を置いていけるわけないだろ!! 【杏子】でも・・・私・・・もう足手まといだよ・・・・・・。 【雄二】バカ言うなよ!!ここまで来てもう諦めるのかよ。 【杏子】でも・・・このままじゃ雄二君まで・・・・・・。 【雄二】杏子・・・本当にしっかりしろよ・・・。 オレ達は二人でこの砂漠を抜け出すんだ!! 【杏子】・・・・・・。 【雄二】だから、もう・・・そんな事を言うなよ・・・。 【杏子】・・・・・・うん・・・。
ザクッ・・・ザクッ・・・ザクッ・・・ザクッ・・・
【杏子】ねぇ・・・雄二君。【雄二】・・・なに。 【杏子】私達を待っている人達って・・・いるのかなぁ・・・。 【雄二】あぁ、絶対いるさ!みんなオレ達の帰りを待っているんだ!! 【杏子】氷室さん・・・大丈夫かな・・・・・・。 【雄二】あぁ、早く帰ろう・・・。
ザクッ・・・ザクッ・・・ザクッ・・・ザクッ・・・
【雄二】・・・・・・。はっきり言って雄二君もかなり疲労の色が隠せなくなっている 体力的にはまだ体の出来ていない年代・・・ でも、彼は私を勇気付けてくれていてとても頼もしく見えてくる・・・ 私が・・・私がしっかりしなくちゃいけないのに・・・・・・ 彼の顔はすっかり日焼けし、軽い火傷の様になっている・・・ 私自身も・・・同じような状態・・・ あと・・・もう少し・・・・・・もう少しの辛抱だ・・・ もう少し・・・・・・もう少しだけ・・・ 【杏子】・・・・・・。 【雄二】・・・・・・ん? 【杏子】・・・・・・。 【雄二】おいっ!杏子!!あれを見ろ!! 【杏子】・・・・・・ぇ? 【雄二】街だ!!街が見えてきたぞ!! 【杏子】・・・・・・。 【雄二】杏子? 【杏子】・・・・・・。 【雄二】杏子!!!!! |
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【杏子】あの時、私達は奇跡的に街に出ることが出来ました。 しかし、その街自体はまるで廃墟のように静まり返っていました。 【まりな】・・・・・・。 【杏子】ここも、もうダメなのかと思った時、一つの小屋から死んだはずの プリシア女王が生きて私達の前に現れました。 【雄二】あぁ、あれはまさに驚きだったよな・・・。 【杏子】そこにいたマイナさんとプリシア女王に事の経緯を話し、 エルディアの国中の総力をかけて、世界中へワクチンが届けられた。 【雄二】急に死んだはずのプリシア女王が現れたから、 生きていた国民のほとんどが驚きと当惑を隠せなかったみたいだったな。 【杏子】そしてあの時、プリシア女王がきびきびと行動して下さったから 今の世界があったようなものでした・・・。 【まりな】ふ〜ん、そう・・・そうだったんだ・・・ 何となくは聞いた事があるけど、本人から聞くと・・・。 【杏子】私自身がココにいるのも雄二君のお陰でした。 【まりな】それで・・・雄二君に惚れてしまった・・・と言うわけですか。 【杏子】え!?、は・・・ははは・・・ま・・・まぁ(汗) 【まりな】そう・・・よく頑張ったわね、杏子。出来のいい教え子を持って私は嬉し いわ。 いや、誇りに思うわ。雄二君もありがとう。 【杏子】は・・・はい!!まりな先輩に誉められて嬉しいです。 【雄二】あ・・・はい。 【杏子】それより、まりな先輩。確か雄二に用事があったはずでは? 【まりな】あ!そうよ。すっかり忘れてたわ! 【雄二】どのような用件なんですか? 【まりな】雄二君、今巷をにぎわしているクラッカー事件って知ってるよね? 【雄二】ええ、何となくはニュースなりで知ってますが・・・。 【まりな】その調査依頼がまわってきたのが内調なの。 【杏子】ええ!?まりな先輩、復職なされたんですか? 【まりな】えぇ、そうよ。教官なんてオサラバ〜ってね。 【杏子】そ・・・そうなんですか。でも、まりな先輩コンピュータ関連って 大丈夫なんですか? 【まりな】う!?だ・・・だからここに来たんじゃない。 【雄二】でも、オレそこまでUG系って詳しくないですよ。 【まりな】さわりだけでもいいの。 【雄二】はぁ・・・オレに出きる事でしたら。 【まりな】よ〜〜しゃあ!!頑張るわよ!!
こうしてまりなは無事に杏子、雄二に再開が果たせました。
これからどの様になるのかは・・・全くわかりません。 そこ退けそこ退け、まりな様が通る。 おしまい♪ |