壊帝への復讐は終わった。
アスラの生存本能も、いま燃え尽き幕を閉じようとしていた。
“反面のアスラ”がユガの体内から分離し出る。
その側に駆け寄る色。
彼の命もアスラ同様に閉じようとしていた。
その運命を受け入れない女。
いさめる男、血塗れた手が女の腹部をそっとおさえる。
「頼んだぞ・・・色」
泣いて立ちつくす女が何か云おうとするが、男の唇がその女の唇をふさ
ぐ。
現世へと帰れる時空間の隙間に女の肩を優しく突き放つ。
黒衣の男を見下し、
「私は来世へゆく、この体は御前にかえしてやる・・・」
魂はついえ彼は倒れる。
崩壊しゆく時空の中、黒衣の男が起きあがった。
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