![]() 知られざる地にて妖気が天をつらぬき、闇の塊を地に導いた。 最凶の魔、壊帝ユガの復活である。 再び世に舞いおりた彼の目的は、半陽の男と半陰の女を使った 現世と魔界の統一。すなわち、暗黒神復活の土台となる完全な る理想郷の建設であった。 再び半陰半陽の子が探しだされ、ユガの魔力の前に操り人形と 化したも者どもは、理想郷建設の儀式に必要な生け贄をあつめ るべく殺戮を繰り広げはじめた。 ある者は幕府の中心人物となって過酷な政策をおこない、ある 者は辻斬りと化し、またある者は故意に幕府への反乱をおこす など、さまざまな方法で屍をふやし、生け贄としたのである。 また、魔の復活の影響による飢饉や疫病の流行は、さらなる屍 をふやし、そのありさまは魔にさらなる力と歓喜をあたえた。 こうして集められた屍の山は、魔界の祭壇につみあげられ、二 本の柱となり、後はそこに封じ込められるべき半陰半陽の男女 をまつばかりとなった。 そんなおり、魔界に帰ってきた一人の男がいた。闇の中、文字 通りの人柱の前に立つその男の名は、アスラ。 魔手を操り、ユガに復讐するべくこの世に現れた漆黒の剣人。 しかし、彼の敵は自らの理想郷の建設を着々と進めていた。 現世と魔界を呑みこんだ復讐劇が今、幕を開けようとしている。 |