
『小説2巻、ネタバレに恐れる必要なし!』
--ユーザー”kubou”さんのテストプレイ記
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こんにちは、小説を2巻読んだ後にテストプレイに臨んだkubouと申します。
さて、今回のテストプレイでの私のテーマは
●「小説を読んだ者がゲームを楽しめるのか」
でした。ここでは、特にプレイの内容に関わっている2巻ですね。
で、結論。私は別に角川さんの回し者じゃないということを、とりあえずお約束としてことわっておきますが…(笑)
●ま、小説は読んでてOK。問題なしというか、先に読むのはかなりアリ。
以下、小説を読んでいても楽しめた理由を考えたことです。
○理由その1:お約束は何度見ても面白い!
○理由その2:お約束のなかにも暴プリらしさが!
○理由その3:声優さんってすごいね
○理由その4:小説とゲームとの表現の違いがある
私がプレイしたのは一番最初からAct.2の最後までで、これは基本的に小説2巻中の5章の最後までと、6章の秘密会議の部分にあたります。
ちなみに1巻の内容は、章と章の間に子供時代の話が少しずつ語られている構成のため、私がプレイしたところまでではまだ全部紹介されてはいないんですけどね。
ということで、どこがどの部分に対応するかがわかるほどに小説を読み込んでからプレイしたのですが…
不思議なことに、小説の2巻を読んでいても楽しいんですよ。基本的な設定どころか、大まかな展開すら知っているのに、なんか面白いんです。
○理由その1:お約束は何度見ても面白い!
何故なのかを考えたのですが、たぶんこれは暴プリがどこを楽しむものなのかを考えるとわかりやすいと思います。
暴プリってストーリーの意外性ではなくその経過自体が楽しいのです。
いや、正確に言うとストーリー上の謎や意外性のある展開はそれ自体
魅力的なのですが、それをさらに他の楽しませたい部分を盛り上げるために
うまく使っているといいましょうか。
一応ネタバレなので詳しくは言えませんが、あんな色っぽいあの方のあんな秘密や、シルバーベルの切り札である
聖なる守護竜の謎など、普通なら最後までひっぱってから明らかになるような衝撃の真実さえ下手をすればゲーム開始直後にサクッと明かされます。そして、そ
ういった情報は知っていたところで全然問題ないつくりになっているんです。というのも、逆にそういった設定に裏打ちされた世界観やキャラクター性があって
こそのシーンで絶妙なお約束が繰り広げられるんですね。
お約束って言うのは、「ヨッ、待ってました!」の世界ですね。
どこかで見たことがあるような、それでいてこのシーンといえばこういう展開になってほしいなというポイントをうまく踏襲し、そして見たい部分以外のいらない所に気が散らせずにそこを楽しめる。
例えば、正義の心が悪を討つ!なんてのは古今東西様々な形で存在する見せ場ですが、やっぱり何度見てもスカッとする部分だからこそいまだに作りつづけられているのではないでしょうか。
主人公側が悪役に勝つというネタがわかっているため作品そのものがつまらないという事はありませんよね? 小説でのネタバレは全体から見るとそんな瑣末な
問題だし、暴プリにはそういった普遍的な楽しさがあるわけです。
他にも多数存在するお約束の多くは時代劇などに見られる泣かせどころやキメのシーンなので、馴染みもバッチリです♪
○理由その2:お約束の中にも暴プリらしさが!
「オイオイ、こちとら時代劇はもう見飽きてんでい。いまさらお約束でもあるめえ」と思われたあなた、これがま
た違うんですよ。暴プリでは、お約束のあのシーン、誰もが思い出すあんなシーンがたっぷり詰まってはいるのですが、そのお約束以外の所の設定によってそれ
がイイ感じに新鮮な雰囲気を作っているのです。
大体が、主役のルージュからして普通じゃない。人間的に完成していて庶民を困らせる悪を上から裁く時代劇の主役達と比べると、全く別の位置にいるあのルージュが普通のお約束のみで話を終わらせはしません。
肉体的には弱っちくてみんなで守るべきひ弱な姫なのに最強の武器を持ち、精神的には不安定でいて強く、姫の立場に求められる縛りや既成概念ははねつけるの
にそのくせプリンセスとしての風格は身に付けている、その上性格がアレ……という、はっきり言って強烈な魅力を持ったキャラです。
そのルージュ自身がお約束のオイシイ場面を喜んでもとめるんだから、そりゃあ物凄いものにならないわけがない。トラブルメーカー的な所あるしなぁ。
偉そうな大義以上に感情で動きまくるし、シオン君ももうたいへん(^^;
というか、そんなルージュを中心とした人間関係の上で既成のお約束世界を構築するのは大変なのではと私なんか考えてしまいます。
そのへん、さらっと自然に見せてしまうあたりも暴プリの魅力かも。
このように、お約束の型を使いながらも、うまくまとめあげた暴プリならではのひと味違った切り口の魅力が、話を知っていても楽しめる理由なのではないかと私は考えました。
というか、そう考えないと一度自分がプレイしたビデオを何回も見直しているのにいまだに楽しめている理由がわからない(^^;
実際、小説を読んだ後の最初のプレイ時に楽しめるのはまだしも、ただ見るだけのビデオ、しかも元々が映像作品ではないゲームを録画したものを何度も見てい
るのにコンスタントに楽しめるのは、ちょっと驚きですね。いや、これがまた笑えるんですよ。一発ネタじゃなく繰り返しに耐えうるので、私なんか毎日ニヤニ
ヤしてますよ(^^;
○理由その3:声優さんってすごいね
まあ、そのまんまです。役者さん豪華だしなぁ。ホントいいんです。
小説を読んでいて考えたイメージと同じといえば同じなのですが、やっぱり本物の声が入っていると何度も聞きたくなるもんですよ♪ というか、声のイメージを連想させる小説の文章ってうまいよなぁ。って、これ私だけでしょうか?(^^;
○理由その4:小説とゲームとの違いがある
ゲームではシオンの視点で話が進んでいきますが、小説では3人称で描かれている上に基本的にルージュの視点の
ため、お互いが情報を補い合っています。少し感覚が違うので、一度小説で読んだシーンでも雰囲気が違って見えますし、物語自体にも挿入エピソードやゲーム
と小説で違う展開の所は多いです。
派手なビジュアルや役者さんの演技で魅せられるゲームと、心理描写を思いっきり楽しめる小説では見せ場が違うということでしょうか。
また、ゲームでは通常のシーンどころかイベントの最中であってもシオンの台詞を3択で選ぶことができます。自分好みの答えを選択していけば、小説とはまた
違った会話が繰り広げられるって寸法です。強気なシオンやウジウジしたシオン、ジャスミンさんの年齢の事しか頭にないシオンなど、プレイヤー自身が意思決
定をしたことで自分的なシオン像が出せてこれもなかなかよいです。
●小説を読んだ人のみができるゲームの楽しみ方
・ゲームと小説を比べてみる
展開の意外さを楽しむことはなくても、逆に小説との相違点が結構あって、「なにっ、そこでそうなるの!?」と
いう別の楽しみ方もできました。というかキャラクターや設定をうまく掴んだまま、時には微妙に時には大きく展開を変えてあって、小説もゲームも別の魅力を
引き立てていて納得できてしまう。いや、マジで細江先生うますぎです。「小説面白かったでしょ。今回は監修もかなり力を入れたんだよ」との桝田さんの言葉
に偽りなし! ゲームとうまい具合に両立してるんですね。これなら私もビクビクせずに最初から2巻を読んでりゃ良かったと思いました。
・街の人たちと話すのが面倒な人に便利
桝田ゲーらしく、今回も街の人々の台詞はイイ感じなんですが、国同士の関係や一般人の考えなど雑多な情報のいくらかはそういった強制イベント以外での入手になります。
結構ゲーム中のシルバーベルって広いんですが、そこでの情報収集って嫌いな人はトコトン嫌いだったりしますよね。で、それを簡単に補完できるのが小説です。小説は電車の中でも読めますから、時間のない方でも楽しみやすいですね。
ま、基本的にこれらの感想は私の主観によるものですし、人によってはネタバレがつらいと感じられる方がいらっ
しゃる可能性もなくはありません。心配ならゲームをクリアしてから読まれるのも、実際ゲームをプレイした後でも楽しめそうな小説なのでお勧めですし、それ
もまた一興かと思います。
が、個人的には迷っているなら先に読んでしまって発売を待ってもよいのではないかと考えます。とりあえず自分の中で期待を煽れるだけ煽っても裏切られるこ
とはないと思いますし、テンション上げておいていざプレイというのもオツなものかも。
小説の3巻には、また大きな仕掛けがしてあるそうなので、もしかしたらこれも先に読んでいて大丈夫かもしれませんが…、おそらく発売日の関係上ゲームをプレイするほうが先になりそうですね。
少し長くなってしまいましたが(笑)、結局いろいろ言葉を重ねるよりも実際にプレイしたほうが面白さを理解するのは速いってもんです。いや、ほんと一度プレイするとニヤニヤもんですよ。ということで、私も11月29日を楽しみに待ちたいと思います。
……って、まだ結構あるし待ちきれないよなぁ。
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