『プレイヤーはシオンになり切れるのかっ!?』

--ユーザー”火瓦”さんのテストプレイ記

・戦闘は間口が広く奥が深い!  

勝つだけなら決して難易度は高くありません(プレイしたのは序盤だけなので断言は出来ませんが)。もし勝てなくても戦闘前からすぐにやりなおせるので手間はかかりません。  
楽に勝てる人でも戦闘後仲間に評価されたり、その評価に応じておまけが貰えるのでやりこむ余地は十分にあります。評価の基準も仲間によって異なるので大変奥が深い作りになっています。  
戦いの前にも武器、防具、アイテムの装備、敵の戦術の分析、そしてシナリオパートでの仲間のやる気調整などできる事はたくさんあります。
 
そして戦闘の毎ターンの終わりに仲間からのアドバイスや初めて起こした行動のコメントが入ったり、仲間の戦闘コマンドで本人のやりたい行動を優先して選ば せるとやる気が増加したりします。逆に本人の意に背いて細かい指示を出すとやる気が下がってしまいます。このためシオンであるプレイヤーは、従来のRPG のように勇者達に意のままに命令を下す神のような存在ではありません。あくまで正義の味方チームの作戦本部長であり、仲間と協力して戦っているという印象 を強く受けました。  

戦闘シーンでのキャラの行動が見栄えする割にデモ時間も長くはなく、適度な頻度で表示されるのでストレスを感じさせません。ただ、デモの前にその効果が表示されてしまうために、
「さあ、これでどうなるのかっ!?」
というドキドキ感が 弱いのが残念でした。

・フィールド移動時は面倒な事が多い!  

マップが無駄に広い上にキャラの移動速度が余り速くなく、景観がシンプルな作りをしている上に、街中の店以外の建物でドアがあっても中に入れない所が多く見受けられ、全体的に寂しい印象が強いです。  

視点をL・Rで回転できるものの、斜め上でカメラが固定されているために画面が単調な感じがします。マップが余りに広いのであちこちを移動して回らなければならないイベントは退屈でした。
店に出入りする度にロードが5秒程度入るのは正直痛いです。

・セーブ、ロードが便利  

メニュー画面が開ける時ならいつでもセーブ、ロードが出来、その所要時間も短いです。また話の途中でセーブしたデ ータで、その話のはじめに戻れるのも便利です。 戦闘のリプレイデータも保存できるのでやりこみの手間も省けます。普通のセーブもリプレイデータも容量もそれほど使 わないので安心です。

・イベント、世界観は最高。  

イベントは非常に充実しています。その辺の通行人なども含めテキストの出来が良く、どのキャラクターも動きや顔グラ フィックが豊富で、プレイしていて飽きません。デモシーンではキャラクターの一挙一動、間などが細かく表現され、かつアニメ的なインパクトの強い演出も多 く、桝田省治氏の印象的なテキストを口にされる声優さんの見事な演技も加わって、素晴らしい出来になっています。 

ただ、イベントの合間合間に長いロードが入り込むため少し冷めるかもしれませ ん。けれど、ロード中に場の雰囲気に合わせた抑え目な音楽が流れるのでそれほど気にはなりませんでした。  

ところでルージュの存在感もさる事ながら、プレイしていてすんなりシオンに入り込めました。それでいてシオンという人間の個性も確立されているのは凄いと思います。  

プレイヤーが選んだ選択肢以外は殆ど喋らない彼の台詞がプレイヤーの意思を反映させつつも、そこから少しピントとのずれた彼の台詞と関智一氏の演技が彼の 個性をよく表しています。そのためルージュのそばにいるという臨場感が十分に体感できます。  

そしてメニュー画面にあるシオンのメモ帳は、これまでの経緯やシオンの心情、これからやるべき事が面白おかしく記 されているので実用的でいて楽しいです。同じくメニュー画面には一話毎に変化する登場人物関係相関図がありますが、キャラクター同士の繋がりはよくわかる 一方でまだ登場していないキャラクターの事まで詳しく記されています。そのためにこれからのストーリー展開が安易にわかってしまうのが残念でなりません。

・まとめ  

このゲームのメインはRPG風のアドヴェンチャーですが戦闘が非常に面白いです。この世界観に惚れた人は買って損はありませんが、そうでない人でも練りこまれた戦闘がしたいという人ならお勧めです。





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