『暴プリって、こういうゲームだったんだ』

--ユーザー”tagosaku”さんのテストプレイ記

1. 目的
この報告書は、プレイステーション2用ソフト「暴れん坊プリンセス」発売を目前とする11月初旬に当ソフトを試遊し、そこで得た情報を他の人々と共有することを目的とする。
なお、個人的なテーマとして、「このゲームで遊ぶと元気になれるか」という点についても考察を行うこととする。

2. 方法論について
試遊の詳細は、以下の通り。
   実験日時:2001年11月13日(火) 19:15 〜22:30
   実験対象:「暴れん坊プリンセス」(テスト用DVD-Rを使用)
   実験場所:(有)MARS 制作室
   実験筐体:MARS設置のプレイステーション2(朝から連続稼動中)
   被験者:tagosaku (仮名、25歳・女)
   ギャラリー・助言:MARS桝田氏、前田氏
   おやつ:コージーコーナーのシュークリーム
  (他のテストプレイヤー様お土産を頂戴しました)
   準備物:前日の十分な睡眠、会社を定時帰りする度胸、若干の緊張と高揚感、かなりの期待

  実験手順としては、ゲームの最初からはじめ、時間の許す限り話を進めることを優先した(つもりであった)。

2. 実験の経緯
〜 第一印象…「なんかノリがいいじゃありませんか♪」
突然始まるオープニングアニメーション。勿論主題歌付き(喜)。歌声はJ&Mのように軽快で非常にいいカンジ。最後に「提供」までついて、掴みはばっちりである。
メニュー選択画面ではオマケやスコアアタック、定番サービス等も選択できるようで、ゲームが進むにつれ色々な仕掛けが楽しめそうだ。そして「スタート」を 選択すると、「世界で一番、私が正義ィ!」の掛け声とともにゲームスタート。こういうノリは大好きなのでいやが上にも盛り上がる。
プロローグはご存知のようにルージュ姫成人式。曖昧な笑顔が魅力の我等がシオンくん登場。そして初っ端から暴走姫の「ぶっ壊してやるぅっ!!」が聞けて ちょっと嬉しい。ジャスミンお姐さまとともに竜鎮めの奥義を発動する為、一応戦闘パートに突入するが、桝田氏曰く「模擬だから」。確かに竜鎮めの呪文ひた すら唱えるだけなので、雰囲気のみ味わうという感じである。
占めて10分ほどでプロローグは終了。

〜シナリオパート感触…「嗚呼、中間管理職」
プロローグ終了後、インターミッションである子供時代の話へ。導入画面で「予想プレイ時間 30分」の表示に首をかしげていると、桝田氏曰く「たとえばもう夜遅くてそろそろゲームやめよっかなーって言うときに、あと何分でキリよいとこまでいける か分かると便利でしょ?」。…なるほど。忙しい人向きの設計なのか。
インターミッション終了後のACT.1は予想プレイ時間2時間。ここからが本題である。「正義の味方チーム」結成後、シオン君は作戦部長に任命される。以 降は、度々出現する会話中の選択肢(3択)にどう答えたかによって、チームの皆様の「やる気」が大きく上下する。ノリとしては「サクラ大戦」アドベン チャーパートの信頼度設定と同じであると言っていいだろう。
ただはっきりと違うのは、誰かのやる気があがると確実に他の人のやる気は下がる、というシビアさである。万遍なくご機嫌取り、というギャルゲーの王道業はどうも無理そうだ(まさに「らしい」設定である)。
試しにあまり深く考えずに自分の信念に従って進めていったところ、ジャスミンお姐さまからは「YEAH!」・「WOW!」といった好反応を得たが、肝心の ルー姫からは「UGH」だの「RATS…」だのと反応され、やる気は下がりっぱなし。ACT.1終盤ではとうとう「やる気」表示画面で出てくるルージュの 現在の気分が「あのさあシオン、殴ってい〜い?」に(号泣。桝田氏爆笑)。
 各人のやる気をコントロールしにくい理由は他にもある。シオン君の反応がかなり読めないのである。威勢のいい選択肢を選んだはずが、本人はへ ろへろとした受け答えをしてしまうなどということはザラに起こる。桝田氏曰く「このあたりのシオンとプレイヤーの距離感がいいでしょ」。この辺りのズレを 画面に「おい!」と突っ込みながら楽しむのがポイントだろう。全員がやる気ヘロヘロじゃない限り、戦闘はなんとかなるので…。逆に、各キャラをコントロー ルできない辺りをもどかしく思う人は苛々が募るかもしれない。

〜戦闘パート感触…「慣れるまで大変。もうちょっとさくさくいきたいなぁ」
ACT.1の戦闘は属性などを考慮する必要はない分、簡単であったと思われる。相殺のみ気をつければいいだろう。如何に早く必殺技を繰り出せるか、に勝敗 がかかっている。勿論通常攻撃で各個撃破でもいいと思うが、おそらく戦闘後の皆様の評価がえらく下がるのだろう。
なんだかよくわからなかったので、桝田氏のアドバイスに従い、必殺技使用キャラ(ルージュはやる気ヘロヘロなので、シオンとジャスミン)はひたすら気合集 中、他はなるべく必殺技キャラをヨイショしてもらい気合の補助、合間に体力回復というまさに一発狙いの防衛線戦略をとった。
途中、ルージュが普通食らうはずのないクリティカルを食らって一度ゲームオーバーとなってしまったが、戦略的に誤りはないと桝田・前田両氏のコメントに基 づき、再挑戦時には無事勝利を収めた。皆様の戦闘後の評価も上々で、おまけ全て入手ラインの500点を一応突破した。
この戦闘パートで気になったのは、端々に挟まれるアニメーションである。ターン前、ターン後、戦闘中のアニメ効果と盛りだくさんのため、肝心の戦闘の進行 が間延びする印象を受けた。アニメーションが走る度に起こる若干のロードで流れが途切れてしまうように思える。

〜その他について…「うーん盛りだくさん」
・キャラクターの演技が滑らかで細かい。表情も豊か。ポリゴンアニメは能面、というイメージがあったが暴プリでは皆表情がよく変わって引き込まれる感じである。これがまたよく喋るので、見ていると楽しい。
・脇キャラがさりげなく小ネタを披露していたり、と随所にツボがある。
・マップが広い。描き込みが細かいのは嬉しいが、不必要な広さがあって周るのが大変であった。ダッシュの速度も遅い為、探索・移動に時間がかかってしまう。寄り道大好きな私には辛かった。
・ロードが遅い。テスト環境であるという事情はあるが、イベントアニメ等への切り替えは特に時間がかかっていた。一息つく、というよりは、待たされる、という長さになってしまう場合もある。

3. 考察
さて、試遊した印象であるが、自分の中でも賛否両論である。とはいえ、私個人としては買いたいと思っているので、まずは「否」のほうから。

<否・ノリの良さを妨げる要素が多い>
このゲームは桝田氏の宣言の通り、シナリオ重視、キャラ重視である。お約束な時代劇台詞、細かいことは問答無用な正義の味方チームの活躍ぶりはまさに王 道。王道やマンネリに異論はない。むしろ歓迎である。ただ、やはり王道である以上、自分が期待しているテンポで物語が進んで欲しいのだ。
だが、ロードの長さ(これについては製品版に期待する。待てる長さであれば多少長めでもしょうがないだろう)や、台詞同士の間が微妙に長く感じられたり、 文字の表示速度が遅かったり、展開的にイベントに無駄がある気もしたりなど、展開がもたついて見える要素がある。
せっかちでアップテンポなドラマが好きな私はそれがどうにももどかしかく、「ああっ、そこはもうちょっと早く反応してあげてよぉっ」と歯噛みしていたのだ が、その辺りの捉え方は個人によるかもしれない。この間合いで全然気にならない、という人もいるだろう。あくまでも私個人のテンポとの差である、というこ とを付記する。

<賛・やっぱりキャラもシナリオも魅力的>
それでもやはり、よく笑いよく喋るキャラクターは見ていてとても楽しい。ルージュにコケにされると「絶対そのうち名作戦部長といわせてやるっ!」と闘志も 湧く。そして弱小貧乏国シルバーベルをこんな姫に任せといて本当に大丈夫なのかということも、とてもとても気になる。要は先が気になってしょうがないの だ。
また、街の人達の、本筋とは関係ないけれど妙に現実味のある四方山話だとか、街の方々にあるちょっとした仕掛けも相変わらず健在であった。妙に女性が強く て男性が煮え切らない(シオンの表情が常に中途半端な笑顔なので笑った)辺りなどなども含めて、やっぱり「らしい」ゲームだなぁ、とつい顔がにやけてしま う。

以上のような両面を併せ考えたうえで、とりあえず手にとって見よう、というのが私の結論である。

4. 雑感
・個人テーマ「ルージュの元気を分けてもらおう」について
正直言ってルージュはいい。わがままでせっかちで人の話をまったく聞かないお姫様だが、彼女には彼女の信念があり、それを貫き通すだけの覚悟も潔さもあ る。そこが非常によい。ネタバレになるが、ACT.1終盤、ルージュの「わたしの正義は、優しかないのよっ!!」という台詞。これで惚れた。ここは名シー ンだと思うので見て頂きたい。
ただ私まで元気になるかどうかは、今後の展開次第である。なにせ私が試遊したのはACT.2序盤まで、まだ正義の味方チーム発足したばかりなので…。

・暴プリはギャルゲーか?
女性キャラが多かったり会話での選択がキャラとの仲に影響したりするあたりがギャルゲーとならべられる所以なのかもしれないが、正直に言うと、ギャルゲーってもっと好感度上げるの楽だと思いますよ(笑)





<ゲームプレイ日記トップへ


桝田省治氏インタビュー

アルファシステムの謎

桜瀬琥姫先生インタビュー

暴れない交換日記

お気に入り顔グラフィック

ゲームプレイ日記


戻る