行った人一覧
・角川書店暴プリ宣伝担当チーム(と言っても二名):
F氏/I氏
・ウェブ製作担当者:
サイトー(一応女子、20代後半)
・かまってくれた人:
アルファ・システム芝村氏(暴プリディレクション担当)
寒い寒い20世紀最後の年の瀬、我々一同は東京よりもちょっとだけ暖かい熊本にやって来ました。我々、と言うのはこのウェブサイトをディレクションしている私と、それから何度もアルファ・システムを訪れておられる角川書店の宣伝担当者さん。
何もない駅前に降り立ち、私(サイトー)は(東京から遠いがゆえに)ほとんどメディアが取材に訪れたことがないというアルファ・システムへ思いをはせます。
駅からすぐの社屋は、なんと自社ビル! 美しい外観に「アルファ・システム」のロゴがまぶしく、否が応でも期待を膨らませてしまいます。
インターホンを押すとやっと開錠されるという高いレベルのセキュリティーシステムは、熊本の他の建物から完全に浮いています。 さすが!
そして、ビル自体の高さは低いものの、きちんとエレベーターが完備され、旬のゲーム会社であることを感じさせてくれます。 そこに、今回お話をうかがうことになっている『暴プリ』のディレクションとプログラミング責任者である芝村氏が登場、「結局このエレベーター、誰も使って ないんですよね、もったいないなぁ」と笑いながら、階段で社内に案内してくれたのでした。
階段を登ると、そこは機材とスタッフがずらりと並んだ開発室。
なんと社員は50名以上いらっしゃるとか。
少数精鋭の「職人集団」というイメージがあったので、意外な(失礼!)規模の大きさにちょっと驚き。そしてこちらが驚きを隠せずにいると、芝村氏は豪快に笑いながら言うのでした。 「ウチをみんな『ストイックな職人集団』みたいに言うんですけど、実は僕たち笑いが取れればいいんですよ! あっはっはっはっはっ!」
一見プロレスラーのようにも見える(笑)芝村氏。 いつもギャグと暴言の応酬で我々一同をヒヤヒヤさせるのだけれど、本当はゲームとゲームユーザーを愛する大きなハートの持ち主です。 ……って言われても、この(→)姿ではあまり説得力がないような…。
ゲームの見学は最後のお楽しみにしておいて、我々はさっそく芝村氏に『暴プリ』とアルファ・システムについてお話をうかがうことに。 以下、座談会形式で収録しましたので、みなさんも芝村氏の「ぶっちゃけトーク」を、ヒヤヒヤしながらお楽しみください(我々も相当ヒヤヒヤしました)。
サイトー:
『ガンパレ』、売れましたねぇ。
芝村氏(以下敬称略):
ありがとうございます。でも、あれからゲーム業界で「熊本詣で」がすっかり流行しちゃいましてね(笑)。みんな発売前は見向きもしてくれなかったのになぁ。 最近はゲーム業界の方々が頻繁にいらっしゃいますよ。出張、大変だと思いますが(笑)。
角川宣伝チーム(以下角川):
僕らもほとんど日帰り出張ですから結構シンドいッスよ(笑)。
サイトー:
私はアルファさんに伺うのが初めてなので、まず会社のことをうかがいたいと思っているんですが。 まず、芝村さんと桝田さんのご関係から教えていただけますか?
芝村:
ヒミツ☆というのはウソで(笑)、もう、一緒にゲーム作って10年来くらいの付き合いですかねぇ…。 桝田さんはタバコを三種類吸い分けてるんですけど、どういうときにどのタバコ吸ってるかまで解りますよ。「●●吸ってる、あ、今はリラックスしてるな」とか。
サイトー:
ああ、アフレコの時は××を吸ってました!(笑) なるほど! ……で、『暴プリ』を一緒にやることになったきっかけは?
芝村:
イチバン最初は、確か飲み屋で「時代劇みたいなゲーム作りたいねェ」って話をしたところからです。
角川:
飲み屋で、ですか(笑)。
芝村:
ええ、飲み屋で(笑)。
サイトー:
時代劇みたいなゲーム、って、具体的には?
芝村:
例えば、お約束っぽい罠があったりとか。しかも戦闘中に。 後は、自分がピンチで万事休す!ってときに、敵が「冥途の土産に教えてやろう……」とか、陰謀の一部始終を語ってくれたりするじゃないですか。
サイトー:
でもそれって、自分がピンチにならなきゃいけない気がするんですが……。
芝村:
そうそう、わざわざHP減らさないとそのセリフ聞けないの(笑)。
角川:
ひねくれてますね(笑)。
芝村:
でもそれを聞きたくて、わざとやられっぱなしになるユーザーも絶対いますよ(笑)。それで、桝田さんと二人でそうやって盛り上がってたんですよ。 「やっぱり"罠"だろう!」「そうだよな! それが出来なきゃぁな!」とか言って。
サイトー:
戦闘中にイベント(罠など)が入るっていうのがポイントだと思っていいんですか?
芝村:
そこまで明かしちゃうと面白くないからまだ内緒です(笑)。 でも結局、水戸黄門とか見てても戦闘中に「ひかえおろう?!」ってなるじゃないですか。そういう「お約束」は大切にしたいと思ってましたね、最初から。
サイトー:
43分頃に矢七が出てくるとか、そういう(笑)。
芝村:
それで、確か次に盛り上がったのが屋台の焼き鳥屋じゃなかったかなぁ。
角川:
焼き鳥屋ですか(笑)。
芝村:
ええ、焼き鳥屋です(笑)。
サイトー:
どんな話をされたんですか?
芝村:
熱く語り合ってました。戦闘でどこまで笑いをとるか、みたいな話とか。そんな話で熱く語り合う(しかも 焼き鳥屋で)っていうのもどうかと思うんですけども(笑)。 とにかくどうやったら面白おかしく時代劇を再現できるだろう、ってぶつかり合ってましたね。そのうち桝田さんも熱くなって来ちゃって、僕が何の気なしに腕 時計見てるといきなり怒鳴って来るんですよ(笑)。で、僕も熱くなって怒鳴り返したんです。 「何時計なんか見てるんだよ!!」 「いいですよ、じゃあ俺もう時計捨てますよ!!」 って(笑)。
サイトー:
時計、ホントに捨てたんですか?
芝村:
ええ、道端に投げ捨てました。
角川:
少年ジャンプの漫画みたいなことやってたんですね(笑)。
芝村:
でもね、次の日桝田さんから電話かかってきたんですよ。「よく考えたら主人公がジイさんなんてダメじゃん」って(笑)。 そういうわけで、次の日にこの件はアッサリ終了しちゃったんですよ。俺、腕時計捨てたのに。 (一同爆笑)
サイトー:
それで、どうやってこのプロジェクトは復活したんですか?
芝村:
そうそう、確か某タイトルの2作目を作る予定があったんです。 そこで桜瀬さんにキャラクターデザイナーとして参加していただけないか、と思ってみんなでお会いしたんですよ。(編注:実はこのとき、桜瀬さんは「某2」の打ち合わせだとは知らされていなかったとか……) それで、メシでも食いつつ最初はちゃんとゲーム作りの話をしてたんですが、「桜瀬さんは時代劇が好き」というのを耳にした瞬間、桝田さんが目の色変えて僕にブロックサインするんですよ(笑)!
角川:
桝田さんらしいですよね(笑)。
芝村:
結局、ネタ変えて口説き始めちゃって。 当然、桜瀬さんは「水戸黄門じゃ絵柄が生きないかもしれない」って消極的にされてたんですね。でもそこで突然桝田さんが「……違うんです! それがね、ジ イさんじゃなくて"姫"なんですよ、"姫"!!」って、本当に突然言い始めて(笑)!
サイトー:
え、じゃあ、そこで決まったんですか?
芝村:
そう、もう、心の中で「そんなん聞いてないよーーー!!!」って! (一同爆笑)
芝村:
で、何と桜瀬さんが2〜3日後にもう主人公(ルージュ)のイメージイラストを上げてきてくださって。本当にいつのまにか(笑)。 もうホント乱暴ですよ。そんなプロジェクトないよ(笑)!! ホントに!
そんなこんなで、話題は尽きずに盛り上がりましたが、最後にゲームそのものの進行状況を見せていただくことに。
…美しい!
…動きがキレイでしなやか!
…魅力的!
角川宣伝チームも初めて見る画像が多かったようで、その出来具合に魅入られてしまった我々一同。ここが公式ウェブサイトだからそう言っているわけでもなんでもなく、本当に出色の出来です。 主人公ルージュの同じ動画を何度も何度も、くりかえしくりかえしただ呆然と見つめて時間を過ごしてしまいました。もちろん、その後で他の画像も見ましたが。
とにかくこうして胸がいっぱいになったまま、熊本駅から東京への帰路に着いた我々。 どうやら『暴れん坊プリンセス』、本当に面白いですよ。これはすごいことになりそうです。みなさんもぜひ楽しみにしていてください!
さぁ、そしてこちら公式ウェブサイトでも初公開の画像もいっぱいだ!
…と言いたいところなのですが、事情がありましてまだゲーム画面をご覧戴くことができません。 ごめんなさい! ですが、ここで一つニュースを。 今回『暴れん坊プリンセス』のグラフィックを担当しているのはなんと「ポリゴンマジック」!
美麗な作画には定評のあるこの会社、見せていただいた動画も、サイトーは思わずため息が出るくらいの美しさでした。 そして角川書店のお二人も「これはすごいよ!」「……よかったぁ……!」という感嘆の声を漏らしていたのでした。
次回2月の更新日には、何とこのポリゴンマジックの手がけた動画の一部(静止部分)と共に、ポリゴンマジックとアルファ・システムを取り巻く映像製作秘話をお届けします!お楽しみに!
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